darsのメモ帳

アニメや演劇など書いていきます

BASE METAL

BASE METAL

5/7昼公演を観劇致しました。

文翁先生、この方がいらしたからこそ、

素晴らしく有名な劇場で、

出演者が声優さんだけの劇が上演される機会が増えてくれた、

と個人的に思うこの頃。

 

(いつにも増して乱文気味です、少しずつ整えていきます)

 

 

世の中の「声優」という、裏方というイメージから、

表舞台に出てくれる、表現者としての活躍の場が広がっていくきっかけを、

リーハイをはじめ、ヴォイサリオンなど、

藤沢朗読劇を作ってくれた方々が、

声優の活躍する場を広げてくれた。

声優さんの朗読劇好きな自分にとって、

この方々には感謝してもしきれないなぁ、と常々思うこの頃。

 

劇場出る際、おそらく先生であろう方をお見掛けして会釈してしまった、

ご本人がどうかも分からないのにねぇ。

ご迷惑だったかなぁ、でもつい癖で…

(某歌劇団の某劇場、観劇後の客をお見送りをする支配人を見かけてついご挨拶する癖)

作品作ってくれてありがとう!って気持ち、伝わっていると嬉しい。

 

 

観劇の感想!

まず、劇場!

大阪公演では、シアタードラマシティにて上演された本作。

東京では、東京芸術劇場にて上演。

劇場のサイズがほどよいサイズで、個人的に大好き。

そんな程よいサイズの劇場に、

迫力ある爆発!ド派手な火!ろうそくの火!

本来、舞台上は火気厳禁だが、

もう舞台上はまるでUS〇、ディズ〇ーランドかよ!って思うほどの、

火と煙と光の演出効果が派手派手で、作品を盛り上げてくれる。

あとは雷光!激しい光と地響きの音に何回もドキッとさせられた。

冒頭で流れる音、雨音とカラスの鳴き声、鳥の羽ばたく音。

作品を見終えて、あぁ!って思う仕掛けがお洒落。

 

音楽、

安心安定の村中さんを主軸に、

雄々しくてパワフルで音の安定性抜群、

サンジェルマンの演奏を難なくこなしちゃうトランペット、

フランス革命という時代にあまり合わないかな、と思いつつも、

艶っぽく色っぽくてお洒落であってる!サックスの音。

ティンパニーのような音、キラキラした音、

多彩な音で音楽を盛り上げる、リズム隊の音。

この組み合わせ、フランスの貴族が出演するのに、

ヴァイオリンなどの楽器がないのが面白い!そこがまたいい!

 

衣装、

フランス貴族ですからねぇ、華やかですなぁ。

フリルに装飾、たぶん背中にもお飾りついているんだろうな…

派手派手でも、ちゃんと着こなしていく役者さんたち、

すんばらしい!福眼!

着席時、燕尾服でいうテール部分?をふぁっと上げて着席するところが、

もうね、たまらん(言葉にならない

 

声優陣

カリオストロ伯爵

貴族であり、錬金術師であり、山師である彼。

おそらくは平民の出だったのか?

素の彼の言葉遣いは粗暴だが、とても心優しい男。

貴族のスイッチ≒山師のスイッチが入ると、

言葉巧みに相手の心を掌握する。

そんなスイッチの切り替えに、崩れるシーンがある。

フランス革命が起こる中、病気に苦しむ王太子に会いに行く伯爵。

王太子を、病気で命を落とした弟に重ねる伯爵。

優しく王太子陛下に寄り添い、彼の願いを叶える伯爵、

切ないけれど、素敵な場面でした。

月に行きたい、という王太子に、

ねずみをカラスに化けさせたり、

カラスに乗って空を飛んで、

ヴェルサイユの上空を飛んでいくように魅せる伯爵。

ディズ〇ーのファンタジアの一節を思い出した、

まるで大魔法使い。

王太子殿下には、これも嘘だとばれますが、

やさしい嘘も、ときには必要。

ノルマンディー子爵との掛け合いも、良い。

彼の素直すぎるところに心配しつつも、助けられている感じが好き。

サンジェルマン伯爵の謎解きを、少しずつ解き明かしていく流れが、見てて楽しい。

アトラクションシャンボール城の謎解き担当。

終演後、観客を気遣い、出演者をいじり、余裕をもって進行をする、

怪しさと大人っぽさの雰囲気満点な、諏訪部さんカリオストロ伯爵だった。

 

 

カサノヴァ

カリオストロ伯爵と同じく、

貴族であり、錬金術師であり、山師。

薬の調合に長けており、色男。

そして、サンジェルマン伯爵の愛弟子(最重要ポイント

貴族の血をもつ彼、過去の辛い経験をする中、

様々な学問を若いうちに修める。

若き天才、将来を有望視された人。

とある事件がきっかけで投獄されるが、

監獄からの脱獄に成功する。

収監されるときの師弟の会話、

空を羽ばたきたいイカロスに自分を例えるカサノヴァ、

ロウで固めた翼を溶かす太陽に怒りを覚えるサンジェルマン伯爵

切ないし、アカデミックだし、ちゃんと次の話に繋がる会話になるのが凄い。

師弟関係であった時のシーン、

サンジェルマン伯爵に対して、得意の占いで俺を占ってくれとねだるカサノヴァ。

あなたは将来は子どもや孫に見守られながら亡くなる、

という占いの結果を伝えるサンジェルマン伯爵

未来の彼への願いを込めた占いの答え、伯爵の優しさが身にしみる…。

脱獄後に再会するシーン、

師弟関係終わらせるぜ、と少し斜に構えるが寂しそうなカサノヴァ。

自分に迷惑かけまいとする、彼の気遣いにすぐ気づくサンジェルマン伯爵

弟子の不遇に対し、再会を喜ぶも静かに見届ける伯爵、

伯爵の菩薩のような優しいお顔が印象的。

師匠の笑いに救われていたカサノヴァ。

占いで出た世界も、悪くはないと思ってきたという弟子の答え、

カサノヴァの師への敬愛が身にしみる…

笑いが絶えない2人のつながり、まるで親子のよう。

おそらく、カサノヴァは師の城シャンボール城には行ったことはあったと思うが、

師の秘密の研究室までは、行ったことがなかったと思う。

ピンチの時、即席で爆薬を作りあげるところが、さすが秀才。

フランス革命が起こり、カリオストロ伯爵から

市民を城に入れないよう時間稼ぎしてくれ、と言われるカサノヴァ。

大量の爆発物を点火する際、師匠の名前で名乗る、素敵なお弟子さん。

若さと艶を感じる豊永さんカサノヴァ、カッコイイ。

感動のシーンで自分も泣かないように舞台美術のつぼのしわを数える、

というコメントが可愛いらしい。

 

 

ノルマンディー子爵・王太子殿下・マリーアントワネット王妃

朗読劇名物!

お衣装同じなのに、声色でキャラが何人も出てくるマジック!

田舎から出てきて早速、山師に全財産を取られちゃうも、

そんな山師さえも友達にしちゃう素直な彼、

観客目線で錬金術のことを、カリオストロやカサノヴァに

バンバン質問していく彼。

シャンボール城では、アトラクションのアクション担当!

こどもだけど、こどもらしい立場を許されない。

嘘を見抜き、カリオストロの本性を見抜いた、達観な少年。

病を患うも、革命への変化に気づいていた王太子殿下。

カリオストロに、言葉遣いを崩すことを要求したり、

自分が倒れて驚いて助けを呼ぶばあやを気遣い、

カリオストロと一緒にいたという口実を作ろうとする、

聡明でいて切ない立場を持つ彼。

華やかな事にしか興味を示さない、

まさに「パンがなければお菓子を食べればいい」と

素で言ってしまいそうな王妃マリーアントワネット。

この演じ分けが、すんばらしい…

かわいいし、切ないし、おばかだし…

最後にノルマンディーが城の中で見つけた、

サンジェルマン伯爵が描かれた絵画や仕掛け、

あれは何だったのか気になるし、

それを想像するのが楽しい。

終始魅力あふれる沢城さん、

終演後のご挨拶で長々と丁寧にお辞儀させる姿が愛らしい!

素敵だったー!

 

サンジェルマン伯爵

話の中心に立つ、まるで台風の目のような、

とてもミステリアスな人。

錬金術師であり、だからこそ国が崩れゆく今を知り、

未来に落胆をする、年齢不詳の伯爵。

全財産を盗まれたノルマンディー子爵にホットショコラを飲ませ、

子爵の代金を肩代わりする伯爵。

鴨料理の店でカモられた、というジョークに笑う伯爵。

品のある笑い声で、余裕ある大人の雰囲気が、ほんとうに素敵な伯爵。

舞踏会で踊れないノルマンディー子爵に、

トランペットで即興の曲をプレゼントする伯爵。

完璧すぎる、流石伯爵。

だが、王妃と国王に、飢えに苦しむ国民への打開策を訴えるも、

全く相手にされない場面が、ほんとうに辛い。

彼が必死に訴えていた分、そのあとの彼の台詞が重く、苦しい。

自ら市民街に赴き、病気の子どもの治療をし、

その病気が感染症ではない事で安堵するエピソード後の、この王家の態度。

きっと、こんなことをされる前から、国の失墜のため、

彼の緻密な計画が進んでいたのだろう。

それが、話に出てくる首飾りに繋がるところもまた、

ぬかりない、流石伯爵。

1幕最後、カリオストロ伯爵、ノルマンディー子爵、カサノヴァが、

サンジェルマン伯爵の秘密の部屋に閉じ込められ、

伯爵が公開実験で起こした爆発が、秘密の部屋で起きそうになった時、

彼らを追い立てるかのように、伯爵の台詞が続く。

彼の本音の言葉が、迫りくる恐怖と重なって迫力あった。

「さぁ!」の圧がすんごい。

カサノヴァとの会話が、もう師弟愛が二人ともあふれていて、

投獄される時のカサノヴァへの何故、どうして、

将来ある若者が羽ばたけない世の中への怒りが、

思いが、あふれ出ていた。

全身全霊の言葉が、もうドーン!と(言葉足らず

ほんとうに、弟子を大事に大事に思っていたと思う。

カリオストロ伯爵とのチェスのシーン、

まさに盤上にあるコマを弄ぶかのように、会話を進めるサンジェルマン伯爵

あなたは視野が狭い、ということを指摘する強キャラ感がはんぱない。

カサノヴァが脱獄して再会する場面、

スープの味は何が足りない?でカサノヴァが塩が足りないと言って、

フハハハハ!と笑うサンジェルマン伯爵が幸せそう。

それで舞台から去っていくのが、また悲しくなる。

亡くなった方、という一つの表現になると思うが…寂しい。

やすもとさん、このような役を演じるのは珍しいなと思う。

今までと違った、ほんとうにミステリアスな人。

終演後の挨拶、この場を共有できて良かったと言ってくれて、

この人は本当に嬉しい言葉をかけてくれるなぁって…嬉し泣きしそう。

ほんとうに、素敵だったー。