darsのメモ帳

アニメや演劇など書いていきます

Room227

お久しぶりです。

数年ぶりに長文書きたいな、なんて思って戻ってきました。

今年の2/27に公演された朗読劇「女王がいた客室」

の配信映像を拝見しました。

本当に素晴らしくって、もう心がポカポカして、かつドキドキして、

興奮覚めぬ状況で、感想を殴り書きしようとしてます。

いや本当にね、面白かった(語彙力皆無)(ネタバレしてます)

 

 

開演前のアナウンスが収録されていて、

それを聞いただけで自分は劇場にいるんや幸せ―な気持ちになる。

オーケストラの演奏が、世界観をがっつり作ってくれます、

気品があり、優雅な曲調は、この朗読劇には欠かせない一つの要素になってきます。

お衣装がね、とても素敵。キャストそれぞれのイメージのお衣装だなんて、

なんて贅沢。展示会とかして欲しい…。

照明がね、華やか。下手側からの青いライトや、

ラストの後光とか、ミラーボールとか、ほんとうにキレイ。

 

アレックス、本作の苦労人。

亡命して、仲間を助けるためにホテルを立ち上げて、

コンシェルジュとして働いてる。

でも、祖国のあの頃の自分たちに戻りたいと願っている。

育ちの良さを、言動からも感じ取れる彼は、

器用に以前の身分を隠しています。

でも、自分の本心には嘘をつけない。

マダムとのやりとりで、自分の本音がたくさん出てくる場面は、

本当に切なくて苦しくて、マダムと一緒に

「もういいわコンシェルジュさん!」と言いたくなる。

 

あと、マイカとエレオノーラのコメディな掛け合いが、なんとも軽快!

ベルに小細工しちゃうお茶目なところも、

ほんとうに愛らしいといいますか、憎めないというか。

最後の音響からのアドリブも、ほんとうに流石ですかじさん。

 

イカ、本作の苦労人その2。

革命が起き、アレックスを逃がす手助けをする。

自分も亡命し、貴族の気品を無くしていく仲間を見て、

絶望し、苦しんで…

今はマダムの召使をしている彼。

野心家、お酒好き、切れ者

そして、時折のぞかせる貴族の時の彼。

バターナイフだけじゃなかった…

あまりにもそれは、今のマイカを知る人には別人に見える。

いやぁ、2幕ダンスのシーンにはびっくりだった、

見てるこっちも誰だ?って思った。

でもその違和感こそ正解で、不正解なんでしょう。

消え入るように「終わりだ」って、その言葉が辛い。

ラストの「伯爵」と声かけるときの、彼のさわやかな表情が素敵。

エレオノーラとのワンちゃんみたいなやり取りが面白い!

プレイボーイ、の要素はあんまり見れなかったかな?

召使いの任を解かれた彼には、幸せになってほしいな…

竹下さんと手をつなぐ時にマジで照れているやすもとさんが、

とてもとても、かわいらしい。

 

エレオノーラ、本作の癒し。

ふたりの元貴族、マダムに振り回されながらも、

その場の雰囲気を明るくしてくれる。

そりゃマダムも気に入るさ。

でも、孫を無くしたおばあちゃんをだましたくない、

人を笑顔にする芝居をしたい。

それをちゃんと、実現するところがねぇ、

そこで毎回泣きます。

自分をだますことをやめよう、

という言葉は、きっと3人に向けての言葉なんだろうな。

きみがいちばん、ペテン師だったよ。でもそんな君が好き!

三石さん演じるエレオノーラの立ち居振る舞いが、可愛らしい…

 

マダム、本作のキーパーソン。

最初は本当に、認知症のおばあちゃん?

と思ってしまったけど、

妄想の世界に籠るきっかけを知ると、

ほんとうに切なくなります。

それは孫に先立たれてしまったおばあちゃんで、皇太后だから。

やはり、アレックスとの会話の中には、

素?のマダムとして

受け答えをされている場面もあるんだろうなぁって思う。

きっと、マイカにも自分のままごとに付き合わせて、

申し訳ないことをしていると分かっていても、

妄想の世界へ逃げ込んでいたんだと思う。

そこに、アレックスやエレオノーラやホテルの従業員がいて…

ラストにかけて、

妄想の世界に籠る皇太后から孫を愛するおばあちゃんの表情になって、

とても美しい皇太后になって。

あぁ、竹下さんほんとうにかわいらしい…

 

ストーリーとしては、

本当にシンプルですが、秘密が沢山あって、

それを知ったときの驚き、悲しみ。

ラストに向けての、

まるで朝日を迎えるかのような、

希望をもたらしてくれる最後のシーン。

心が洗われます、とても幸せな気持ちになりました。

 

陛下が、この演劇を拡散して、と仰ったので、

ブログ書いては見たものの…

せめて、この作品が素晴らしくて、

また何度でも見たいし、円盤にしてほしいし、

興味ある人一度みてほしい、CDも発売するから、

それでもいい観て聴いてほしい。

という気持ちが伝われば、いいなぁ…